본 논문은 1910년 일본에서 간행된 한국어학습서 『日韓言語集』의 성립배경과 언어사 및
어학사적인 측면에서 본서가 가지는 의미를 생각해보고자 기술된 것이다. 본서는 1910년
12월, 동경에서 발행된 것으로 일본인에게는 한국어 학습서용으로, 동시에 한국인에게는
일본어학습서용으로 편찬되었다는 특징을 가지고 있다.
본서가 발행된 1910년 12월은 한일합방이 발효된 지 얼마되지 않은 시점으로 이와 같은
시기에 간행된 본서의 성립배경은 한일양국의 근대사적인 측면에서도 적지 않은 시사를
줄 수 있는 사안이 적지 않음을 확인할 수 있었다. 本稿は、1910年に日本で刊行された韓国語学習書『日韓言語集』の内容を学界に紹介し、同時に言語資料としての性格を考えてみようとしたものである。特に『日韓言語集』が刊行された1910年はいわゆる韓日合併が行われた時点であり、本書の成立背景を調べてみるのは近代史の方面からも示唆を得るところが少くないように思われる。 本書は三巻からなり、その内訳は、「日韓言語集」(上巻、日本人の韓国語学習用)、「韓日言語集」(中巻、韓国人の日本語学習用)、両国語の文法解説(下巻)の三部の構成になっている。著者は、井田勤衛(日本側)と趙義淵(韓国側)の合著、本の冒頭に大隈重信の序文を、末尾には「韓国事情一斑」を附録として附す。このような構成から考えると、本書は韓国語学習を兼ねた当時の韓国に対する総合案内書的な面貌を備えていたと思われる。 本書の本文には、ハングルや仮名の音節構造と発音に関する簡単な解説を収録し、韓国語本文に対しては片仮名でその発音を標示するなど、この時期の他の韓国語学習書と共通した特徴が見受けられる。また、日本語の場合、用言の活用形や可能表現に関わる形式などには、新旧の形式が混在しているが、これは当時の過渡期的な言語現実を反映した現象として説明出来るのではないかと思う。 なお、本書に内在する韓国語は、近代語彙史研究に資し得る性質のものであり、中でも用言の変化法、八品詞などは韓国語の文法学史的な立場から注目し得る記述であることを指摘出来た。